塾で学ぶ中学2年生のYさんは、これまで関数などの計算問題では、少し複雑な内容でも落ち着いて取り組み、しっかりと答えまでたどり着ける力を身につけていました。式を立てることや計算の手順には自信があり、「数学は計算なら大丈夫」という気持ちもあったように思います。
ところが、学習が合同の証明問題に進んだ途端、様子が大きく変わりました。図を見て条件を整理し、言葉で理由を説明する証明問題は、これまでの計算中心の学習とはまったく違う感覚が求められます。Yさんは問題を前にしてしばらく考えたものの、「もうわからない!」と、途中で半分あきらめてしまう気持ちになってしまいました。
計算問題では正解がすぐに見えやすい一方、証明問題は「どこから手をつけていいか分からない」と感じやすく、不安が一気に大きくなります。Yさんの場合も、理解できないというより、「分からない状態が続くこと」に気持ちが追いつかなくなってしまったようでした。
そこで塾では、いきなり完成形を求めるのではなく、「何が分かっているか」「図から読み取れることは何か」を一つずつ言葉にするところから始めました。短い問いかけを重ねながら考えを整理していくと、少しずつ表情が和らぎ、「ここまでは分かる」と口にできるようになってきました。
証明問題は、できる・できないがはっきり分かれる分野ですが、考え方を積み重ねることで必ず力になります。Yさんも、計算で培ってきた粘り強さを土台に、少しずつ証明に向き合う姿勢を取り戻しつつあります。これからも「分からない」と感じたときに立ち止まりながら、一歩ずつ前に進めるよう、丁寧にサポートしていきたいと思います。
「あと少し」という気持ちを冬期講習でしっかり乗り越えられるようにします
「もう少しで分かりそう」「あと一歩なのにできない」――
そんな**「あと少し」という気持ち**は、実は成長の入り口でもあります。
冬期講習では、そのもどかしさをそのままにせず、
どこまで理解できていて、どこで止まってしまっているのかを一つずつ確認します。
小さな「分かった」を積み重ねることで、
「分からない」から「自分で考えられる」へと気持ちを切り替えていきます。
特に証明問題のように、考え方が求められる単元では、
途中であきらめてしまいそうになる場面もあります。
だからこそ冬期講習では、解き方を教えるだけでなく、
どう考え始めればよいか、どう整理すればよいかを丁寧に伝えていきます。
「あと少し」を「できた!」に変えられるように。
この冬の学びを通して、自信をもって次のステップへ進めるよう、
しっかり寄り添い、支えていきます。

