中学1年のYさんは、数学の連立方程式の学習が始まってから、

急に学校の授業が難しく感じるようになったと話してくれました。

とくに文章問題になると、式の立て方がまったくわからなくなり、

「こんな問題を中学生に解かせるなんて!」

と、思わず口にしていました。

学校での授業も、まったくわからなかった。

と、不安な表情。

塾に通い始めた当初、

問題文を読むだけで表情が固まり、

手が止まってしまうことがよくありました。

ですが、問題のどこでつまずいているのか丁寧に話を聞いてみると、

「何を x とおけばいいのかがわからない」

「また、その理由が理解できない」という、

ごく基本の部分に不安があることが見えてきました。

そこで授業では、文章を短い言葉に言い換えたり、

図を書いたりしながら情報を整理する練習を繰り返しました。

最初は時間がかかっていましたが、

「この部分は数量を表しているよね?」

「ここは“差”という言葉があるから、式にするとどうなる?」

と一つひとつ確認していくと、

少しずつ自分で式を組み立てられるようになってきました。

文章問題が出されたとき、

以前ならあきらめてしまっていたはずの問題を、

練習した手順を思い出しながら、

自分の力で最後まで解き切ることができました。

解き終わった瞬間、

「あっ、わかった! 前みたいに混乱しなかった!」

と嬉しそうに笑顔を見せてくれました。

その顔は、自信を取り戻した中学生そのもので、

こちらまで胸が温かくなる瞬間でした。

今では、文章問題を前にしても「とりあえず読んでみる」

「表を書いてみる」など、

だんだんと自分から問題に向き合う姿勢が

明らかに変わってきています。

解ける問題が増えてきたこともあり

表情も明るくなりました。

きっと学校の授業でも、

「わかったから大丈夫!」と安心して臨めるはずです。

難しさに直面しても、

適切なサポートと少しのコツがあれば、

理解は大きく前進します。

Yさんの成長は、そのことを改めて教えてくれています。

これからも「わかる」体験を積み重ね、

勉強に自信をもって進んでいけるよう、

塾としてしっかり支えていきたいと思います。