夏休み中は、お子さまと過ごす時間が増えたご家庭も多いのではないでしょうか。

学校があるときは、朝送り出して、帰宅してから少し話すくらいだったのに、

夏休みになると一緒にいる時間がぐっと増えます。

すると、普段はあまり気にならなかったことが目についたり、

「宿題はやったの?」
「いつまでスマホを見ているの?」
「早くしなさい!」

と、つい口を出してしまうこともありますよね。

そして、言ったあとに、

「ちょっと言い過ぎたかな……」
「もっと違う言い方があったかもしれない」
「子どもにどう接したらいいんだろう」

と、考えてしまう。

子どものことを大切に思っているからこそ、悩むのだと思います。

私自身も、子どもとの関わり方について学ぶ中で、たくさんの気づきがありました。

その一つが、以前学んだ**「親業」**です。

そこで学んだことの中に、とても印象に残っている考え方があります。

それは、子どもに対して、

「あなたは○○だから」

と決めつけるのではなく、

「私はこう思う」
「私はこう感じている」

と、「自分」を主語にして伝えるということです。

例えば、

「あなたはいつもダラダラしているね」

と言われると、子どもは「責められている」と感じてしまうかもしれません。

それを、

「いつまでもゲームをしていると、私はちょっと心配になるな」

と伝えてみる。

「あなたは全然勉強しない」

ではなく、

「このままで大丈夫かなって、私は少し心配しているの」

と伝える。

同じことを伝えていても、ずいぶん印象が変わります。

「あなたは○○だ」と言われると、自分自身を否定されたように感じることがあります。

でも、「私はこう感じている」と伝えると、

相手を非難するのではなく、自分の気持ちを伝える言葉になります。

特に、思春期のお子さまをお持ちの保護者の方には、

役立つ場面が多いのではないでしょうか。

思春期になると、親の言葉に敏感になったり、

「うるさい」「わかってる」と返ってきたり……。

親としては「あなたのためを思って言っているのに」と、

つらくなることもあります。

でも、子どもが反発するとき、必ずしも「親の言葉を聞きたくない」

ということではなく、

自分の気持ちや考えを大切にしてほしいという思いがあるのかもしれません。

だからこそ、すぐに正そうとするのではなく、

「あなたはどう思っているの?」

と尋ねてみる。

そして、まずは聴いてみる。

すぐに答えや正解を与えるのではなく、

子どもの言葉を受け止めてみる。

そんな「対話」の時間が、親子の関係を少しずつ変えていくのではないかと思います。

私自身も、子どもたちとの関わりをより良いものにしたいと思い、

「親業」だけでなく、メンタルケアや道徳教育などについて、

本を読んだり、学んだりしながら、日々考え続けています。

塾で子どもたちと接するときにも、学習内容だけを見るのではなく、

「今日はどんな気持ちなのかな」
「何か困っていることはないかな」

と、まずその子の気持ちを知ろうとすることを大切にしています。

食べ物は身体を育てる。
親の言葉は心を育てる。

毎日かける何気ない言葉が、子どもの心に少しずつ積み重なっていく。

だからこそ、完璧な言葉をかけようとしなくてもいいのだと思います。

うまく言えない日があってもいい。
つい叱ってしまう日があってもいい。

「あのときは言い過ぎちゃったね」と、

あとから話すことだって、立派な対話です。

夏休みは、子どもと向き合う時間が増えるからこそ、

悩むことも増えるかもしれません。

そんなときは、

「この子を変えなければ」ではなく、
「この子は今、何を感じているのかな」

と、少しだけ視点を変えてみる。

親子の会話は、特別な時間にする必要はありません。

一緒に食事をしながら。
車の中で。
勉強の合間に。
ふとした何気ない瞬間に。

そんな小さな会話の積み重ねが、子どもの心を育てていくのだと思います。

この夏、勉強だけでなく、親子で「話す」「聴く」「感じる」時間も大切にしてみませんか。